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取組事例テーマ

小児脳性麻痺など脳障害に対する自家および同種(同胞)間臍帯血細胞輸血-細胞バンクで保管されている自家および同種(同胞)の臍帯血単核球細胞を用いた輸血の安全性研究―

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図1.小児脳性麻痺など脳障害に対する自家および同種臍帯血単核球細胞輸血
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図2.ヒト臍帯血トランスレーショナルリサーチ
取組概要

 脳性麻痺に対する特異的な治療法はなく、リハビリテーションなど対処療法のみです。私どもは、脳性麻痺モデルを作成し、ヒト臍帯血細胞(以下、臍帯血)投与により、障害の改善がえられ、機序として内在性神経幹細胞の障害局所への遊走、増殖などを観察してきました。この知見をもとに、2016年12月厚生労働省の認可のもと、わが国で初めて、小児脳性麻痺患者に対する保存自家臍帯血輸血を開始しました(図1)。3年間の経過観察で予定の6例全例、有害事象もなく、リハビリテーション単独以上の運動障害改善を6例中5例に認め、一部の例でコミュニケーション能力の改善も認めました。さらに2021年9月に厚生労働省の認可のもと、わが国で初めて、同疾患に対する保存同胞臍帯血輸血を開始しました。現在6例に実施し、1例のみ投与後一過性に蕁麻疹が出た以外は有害事象はなく安全に投与ができています。輸血1年後(2年間観察予定)の観察できた5例では自家臍帯血同様に、運動障害とコミュニケーション能力の改善を認めています。

今後の展開

 新規治療法の開発のために症例数を増やすとともに、同時に、その治癒メカニズムについても、臨床と基礎とが連携したトランスレーショナルリサーチを行っています。その成果から、今後は脳性麻痺以外の多くの患者に適応できないかのアプローチを計画しています(図2)。

担当者
  • 教授
    藤枝 幹也
    高知大学 教育研究部 医療学系 臨床医学部門(医学部 小児思春期医学・脳性麻痺再生医療研究センター)
  • 教授
    前田 長正
    高知大学 教育研究部 医療学系 臨床医学部門(医学部 産科婦人科学・先端医療学推進センター)
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