SDGs取組事例集一覧
取組事例テーマ
多様で爆発的な海洋植物の生産力を利用した地域産業の創出と循環型社会の実現
特許技術で作製した浮遊式培養用アオノリ種苗
高知大学発ベンチャーの海藻陸上生産施設
取組概要
海洋植物は光合成でCO2や窒素・リンを吸収して高速でバイオマスを生み出します。海洋植物由来バイオマスを食品から飼料、工業素材、エネルギー素材にまで利用できれば、循環型社会の実現に貢献できます。本取組では、海洋植物の増殖特性を研究し、多様で爆発的な生産力を最大限に引き出す高効率の生産方法を開発しています。高知県では四万十川河口にアオノリが生育し、天然品として全国一の年間10-20トンを生産していましたが、近年の海洋温暖化の影響でほとんど収穫できなくなりました。本取組では、タンクで海藻を高効率安定生産する特許技術を開発しました。2016年に学生たちが高知大学発ベンチャーを起業し、本技術で四万十川のアオノリを周年安定生産しています。この技術が他の過疎化の進む沿岸地域(愛媛県、三重県、岩手県など)に波及し、本技術を採用する会社が次々と起業され、2022年現在の総計で年間30トン以上を生産できるようになりました。
今後の展開
食品利用だけでなく、飼料や工業原料としての利用や、水質浄化、CO2回収への応用も並行して進めています。
担当者
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高知大学 教育研究部 総合科学系 黒潮圏科学部門