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黒潮源流域に位置するフィリピンのラゴノイ湾沿岸河川に生息するウナギの種構成解明および資源利用に関する研究

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黒潮源流域のラゴノイ湾の位置
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ウナギ稚魚の尾部の形態
取組概要

 ニホンウナギ(Anguilla japonica)に代表されるAnguilla属ウナギの一部は、高値で取引される重要な水産物ですが、乱獲や気候変動などの影響から漁獲量が著しく減少し、絶滅危惧種の一つとされています。既知の19種のうちフィリピンでは5種の生息が確認されています。私たちは、黒潮源流域に位置するフィリピンラゴノイ湾沿岸の支流に生息するウナギの種構成を形態観察やDNA分析で調べ、市場価値の低いオオウナギ(A. marmorata)が優先種であること、その他ニホンウナギの代替種として養殖対象となっているビカーラ種(A. bicolar pacifica)や2009年にルソン島で発見された新種(A. luzonensis)も生息していることを確認しました。この地域における貴重なウナギの資源管理の初めての基礎データとなる成果です。日本ほど一般的でないものの、ウナギを祭事にふるまわれる文化があることから、輸出品としてのみならず地域を象徴する食資源としての利活用に関する研究を遂行しています。本取組は「黒潮圏科学に基づく総合的海洋管理研究拠点」の一環として進めてきました。

今後の展開

 徐々にこの地域での稚魚の生態が解明されつつあるので、保護と利用のバランスを取りつつ地域資源としての活用法について検討を進める予定です。

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