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放置により劣化した里山広葉樹林の高度利用による生態系と地域経済の再生:小型機械による広葉樹伐出システムの試験作業と収支

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高知大学演習林での伐出試験作業
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収穫したアカガシ丸太の寸法分布
取組概要

 放置されている里山の広葉樹林や竹林の手入れで得られた材を地域で高度に利用し生態系と地域経済の再生を図る研究を、2018年から外部の研究費を得て行っています(科研費18KT0090基盤(C)次世代の農資源利用)。今年度は、高知大学演習林の旧薪炭林から、大径化したアカガシを個人林家でも実施可能な小型機械で伐出する方式の実証試験を行いました。簡易な作業道と組み合わせることで、多くの個人林家が所有しているグラップル付の小型油圧ショベルとウインチ付き林内作業車を使い、2~3名の作業者により直接掴み・ウインチ地引き・軽架線により収穫する方式の実用性を検証しました。また、広葉樹は伐木時に掛り木になりやすいのですが、あらかじめ支障木を除伐する方法が有効で、2年前に収穫したアカガシ林では伐開後に林床が明るくなり萌芽更新も旺盛なことを確認しました。収穫したアカガシの2割は薪適寸、3割は用材として販売可能な方法でした。その他は、パルプ材やバイオマス材として利用できます。

今後の展開

 環境とアウトドア志向から薪の需要が高まっています。薪を自家生産し用材は粗挽きして長期自然乾燥させることで収支の向上が期待でき、今後も検証を継続していきます。

担当者
  • 教授
    鈴木 保志
    高知大学 教育研究部 自然科学系 農学部門
  • 技術職員
    早⽥ 佳史
    高知大学 農林海洋科学部附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター
  • 技術職員
    浦部 光治
    高知大学 農林海洋科学部附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター
  • 技術職員
    今安 清光
    高知大学 農林海洋科学部附属暖地フィールドサイエンス教育研究センター
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