取組事例

SDGs Activities

ホーム > 取り組み事例集一覧 > 取組事例:悪性脳腫瘍の根源に対する新たな治療法の開発 がん幹細胞に対する治療標的分子の探索

SDGs取組事例集一覧

取組事例テーマ

悪性脳腫瘍の根源に対する新たな治療法の開発 がん幹細胞に対する治療標的分子の探索

%E5%85%AB%E5%B9%A1%20%E5%9B%B31.jpg
%E5%85%AB%E5%B9%A1%20%E5%9B%B3%EF%BC%92.jpg
取組概要

 がん組織内に腫瘍を形成する能力や既存の治療に対する抵抗性が高い幹細胞(がん幹細胞)が存在し、治療後のがんの再発の原因として考えられています。新たな治療法により、がん幹細胞を駆逐することが出来れば大きな治療効果が期待出来ます。

 膠芽腫は、長年の集学的な治療法の開発を以てしても治療成績が大きく改善されていない平均余命が1年数ヶ月、5年生存率が8%程度の難治性の悪性脳腫瘍です。これまでに、この腫瘍の根源に対する治療法開発のために膠芽腫細胞株や組織からがん幹細胞を分離、培養し、その性状や特異的に発現する抗原の同定を行ってきました。そのうち、様々ながんの転移や浸潤に関与する分子であるCD146の発現抑制は膠芽腫の増殖を抑制することを明らかにしました。また、CD146は治療抵抗性にも寄与することが示唆されました。この分子を標的とした治療法の開発に関してもナノパーティクルを用いた遺伝子治療によりマウス脳腫瘍モデルの治癒に成功しています。


今後の展開

 現在、膠芽腫のがん幹細胞パネルを用いてCD146に対する新規阻害物質の探索を進めようとしています。

担当者
up矢印