大学紹介

平成17年度 高知大学入学式告辞

 新入生諸君、入学おめでとう。

 多年の努力が実を結び、ここにめでたく入学を許可された諸君を、本学教職員と在校生一同は、心から歓迎いたします。

 また、ご出席くださったご家族の皆様も、さぞご満足のことと、お喜びを申し上げます。ご来賓の方々に、ご臨席のお礼を申し上げます。

 さて、ご承知の通り、高知大学は法人化され、日本の高等教育制度は、大きな転換期のただ中にあります。文部科学省が明治以来の制度改革を断行するに至った背景には、21世紀の社会環境が、20世紀のそれとは、質的に、全く異なることを認識してのことと考えます。大学の法人化とは、国有鉄道がJRに変わったと同じに、大学が変わる、ということではありません。21世紀に、世界の人たちから、信頼と敬意をもって遇せられる日本であり、日本人であるためには、人間の営みとしての教育という視点から、どのような高等教育の場が最も相応しいのかと、89の国立大学それ ぞれの大学人に、問いかけているのだと考えます。

 高等教育の場である大学には、「変えてはならないもの」と「自ら変わらなければならないもの」とがあり、これをどのように認識し、峻別し、実行できるのか、今の大学人に問われているのだと考えます。その結果として、大学本来の使命を、より個性的に具現化していくことが、わが高知大学に求められているということなのであります。

 本日、入学を許可された諸君は、この明治維新以来の、日本の大改革の歴史的証人であると同時に、まさに当事者でもあります。

 なぜならば、高知大学の主役は、学生諸君である、そのような大学に、いま、高知大学は進化しようとしているからであります。

 学長として、全学に呼びかけている四つのCを、今、ここで、諸君にも呼びかけます。

 すなわち、社会が求めている大学改革CHANGEをよく認識し、これを改革の絶好のCHANCEと捉え、恐れることなく、果敢に挑戦CHALLENGEし、21世紀に相応しい高知大学をCREATE創造しましょう。

 高知大学の主役は、あなた方学生諸君であります。この四つのC、CHANGE,CHANCE,CHALLENGE,CREATE,を胸に刻んで、教職員と共に、実学に基本をおいた、知の創造と継承の場としての、高知大学を進化させましょう。高度で実際的な学術・研究の推進と、地域社会のみならず、広く国際社会に貢献できる人材を、輩出し続ける大学を目指して進もうではありませんか。

 諸君は、本日から学生であります。生徒ではないのです。生徒は、学校で、習い教わる人ですが、学生とは、大学を利用して、自らが課題を求め、自らが学ぶ者であります。教えてもらうことを期待する人は、必ず、失望するでありましょう。大学が、自分に、何をしてくれるかではなく、諸君自らが、大学に、何を求めるかということが、大切なのです。大学の教育とは、教壇からの講義に止まるものでありません。同世代の人間同士が集まって学び、刺激し合い、議論しあうところに、大きな意味があります。

 新入生の諸君が、やがて、母校高知大学を卒業する日に、母校がどれほどの進化を遂げているか、それは、一に諸君の肩と、そして共に進む私たち教職員の肩に懸かっていると言えましょう。

 それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの責任の下に、自らの手で、21世紀に相応しい、良い高知大学を創り出そうと誓って、今日から、みんなで、歩き始めましょう。


平成17年4月8日


国立大学法人 高知大学 学長 相良 祐輔


 

大学理念

大学の概要

情報公開

広報

キャンパス

危機管理・防災対策

コンプライアンス

ホームページ運営

その他

AED設置場所