平成17年度 高知大学大学院入学式告辞
大学院に入学された諸君、おめでとう。
すでに基礎的な知識・技術・経験を習得した後に、高知大学大学院に入学された諸君に対して、日本の社会が期待しているものは、21世紀を生きる人類に幸せをもたらすことのできる、未知の領域を開拓する高度な研究能力と、それぞれの分野において後輩を指導する事のできる力量とを培ってくださることであります。
つまり、みなさん方がこれから進んで行かれるそれぞれの専門領域において、自立して独創的研究活動を行う能力と、後輩を指導することができる資質を磨くことが求められているのです。
わが高知大学にとっても、大学院の充実と活性化は、法人化された今日、高知大学の存在を賭けた、極めて重要な課題と受けとめています。
社会人特別選抜制度を設け、社会人の大学院入学を積極的に受け入れ、カリキュラムの上でも昼夜開講制を採り入れる試みもそのひとつであります。さらに、施設、組織、カリキュラム、研究費など、あらゆる角度から大学院制度を点検・改革して、院生諸君の期待に応えたいと努力します。
しかし独創性に溢れた研究を企画立案し、推進し、見事な研究成果をあげるための原動力は、究極、研究者自身の努力に求めざるを得ないことを、明確に意識して下さい。
特に若い諸君の柔軟な頭脳と豊富な行動力とは、何者にも代え難い武器であり、宝であります。既存の法則や学説に囚われない自由な発想で、行く手を阻む障壁を乗り越えて、新事実を見いだす喜びを知る、この至福の日の来ることを強く願って、学長告辞とします。
平成17年4月8日
国立大学法人 高知大学 学長 相良 祐輔