平成19年度 高知大学入学式告辞
新入生諸君、入学おめでとう。
多年の努力が実を結び、本日、めでたく高知大学に入学を許可された諸君を、本学教職員一同は心から歓迎いたします。
ご家族の皆様もさぞご満足のことと、お喜びを申し上げます。ご来賓の方々にはご臨席賜り、お礼を申し上げます。
難関を突破した皆さんを本学に迎え入れることは、本年もまた新しい生命、若い力を高知大学のキャンパス・スペースに補完できたという意味で、わが高知大学にとりましても、まことに喜ばしい日であります。
さて大学生となった諸君は、今日ここに住み慣れた受験勉強の世界と決別し、あらためて自分自身を見つめ直し、自らの責任において自由に自らを鍛錬し、将来にわたって重要な意味を持つ習慣を身につけ、これからの諸君自身の人生の確固たる基盤を創り上げる時期に入ったことを、強く意識して頂きたいと願います。
高知大学で過ごすこれからの学生生活は、諸君の人生において二度とはない貴重な、そして贅沢な時間なのであります。
諸君は自らの努力によって、このエリートたる生活を獲得されたのであります。
ここで私が申し上げたいことは、諸君一人一人が、他の誰もしないことに挑戦する気持ちで学生生活を送って頂きたいということです。失敗しても人生の致命傷にはならない、極めて特異的、例外的な時期なのであり、こうした挑戦が許される、まさにエリートたる生活の4年間を始める日、その日が今日なのであります。振り返って、昨日までの受験生の日々を思い起こしてください。受験勉強こそは、まさに他の人と同じことをする日々であったでありましょう。他の人と同じことをするという習慣から自ら脱皮し、正しい意味での自由、自律のもとに生活し、4年後に諸君が行った挑戦の意味を、明確に総括できるように心がけて頂きたいと願います。
今や、世界も日本も未曾有といってよい転換期に入っています。こうした歴史の大きな転換期には、必ず、若者にチャンスが訪れます。その時敢然と立ち、新しい21世紀を創り上げるための活動ができるように、今、志を高く持ち、明日を見つめる意志を持って頂きたい。諸君の中から一人でも多く、正しい市民社会創造に取り組む市民的エリートが誕生してくれることこそ、高知大学教職員の願いなのであります。
今日からのキャンパス生活が、希望に溢れるものとなるよう、自ら設計して過ごしてくださることを願って学長告辞とします。
平成19年4月3日
国立大学法人 高知大学 学長 相良 祐輔