平成22年度 高知大学卒業式告辞
学士の称号を得て、見事卒業の時を迎えられた皆さんに、心から、お祝い申し上げます。
また、ご出席くださいましたご家族の皆様には、高知大学卒業という、子供さんの晴れの日を迎えられ、感慨もひとしおのことと、お祝い申し上げます。
ご列席いただきましたご来賓、関係者の皆様に、高知大学を代表してお礼を申し上げます。
本日卒業される皆さんを送り出すに当たって、私たち教職員が、皆さんに期待していることは、高知大学で習得された知識、技能をもって、皆さんが主体である21世紀の、全く新しい市民社会のパラダイムの創造に、積極的に参加して頂くことであります。
皆さんが旅立とうとしている今の社会では、青年の就職は極めて厳しい状況にあります。しかし一方では、人材難が、これほど声高に言われている時代もありません。この奇妙な現象は、単に日本国に限られた状況ではありません。すなわち、20世紀の価値規範では、21世紀の、グローバル社会の規範となり得ないことを、見事に、実証しているのだと考えます。
新しい皆さんの時代、21世紀の社会のパラダイムの創造には、高知大学で習得された、能力、すなわち、課題を発見し、問題解決のための企画を立案し、実行し、得られた結果に、今日的視点から考察を加え、これを世に問い、そして積極的に評価を求めるという姿勢と、皆さんの若さとがあってこそ、可能となるのであります。
このような意味から、旅たつ諸君に餞として、「暗夜懼るる勿れ、一灯を掲げて暗夜を行く」という言葉を贈ります。
健康には、くれぐれも留意され、全世界の何処にいようとも、あなた方の21世紀を、あなた方自身の手で創りだすための活躍をされることを強く期待して、学長告示と、します。
ご卒業、おめでとう。
平成23年3月23日
国立大学法人 高知大学
学長 相良 祐輔