大学紹介

2010年の年頭に当たって

 皆様おめでとうございます。

 本当におめでとうと、今年は言って良いのかどうか、大変厳しい年を迎えております。

 さて、昨年秋以来、日本人は、自分たちの投票行動から、政権交代や日本の社会を変えることができる、その可能性を実感し、日本は何か変わろうとしているのではないか、という期待をもって年を送り、年を迎えたと思っております。しかしこの政権交代という一つの事象から起った印象的な、各人それぞれの心の中の期待は時間の経過と共に、段々と一体何がどう変わろうとしているのか、どの方向を目指しているのか、そこのところが今一つ明確になってこないという、非常に不安、不確実なことを感じ始めて、心の期待感が変質し始めている今の日本ではないかと思っております。経済指標、財政指標、職の問題など自分の生活に一向に明るさを見出せない不安不確実さであります。

 それは高知大学におきましても同じで、今年の4月からの予算が全く示されておりません。未だにどのようなお金の使い方をして高知大学を運営していくのかという、12月に内示されるべき予算が、未だに内示されておりません。

 こうした不確かさの中でわれわれ国立大学法人あるいは高知大学は、何処に希望を見出そうとするのでありましょうか。

 大層評判の良かったあの事業仕分けというものについては、次年度は民主党の政策であるので、先ず各省庁間で事業仕分けを行うということになるのかもしれません。

 こういう不確実な時に処す可き姿勢とは、やはり私達自身がしっかりとした考えを持って行動をするということでありましょう。それは時の流れと時の情勢によって可変的な動きはするとしても、主体性を持つ、この事は特に今年は大事な姿勢と私は思って、ここに立っております。

 学長として高知大学の希望を何処に見出そうとするのか。私の気持ちからすれば2年遅れたのですが、この新しい4月からスタートする教育制度と教員制度であります。

 また、それに伴って新しく創設された総合科学系への期待です。さらに今一つは、特別教育プログラムです。この特別教育プログラムと、総合科学系の学系との二つが、新しく今までの学系に加わることによってより新しい刺激と、そして新しい高知大学への一つのステップが作り出されると期待しているところであります。

 これらをベースにして今度各省庁で、例えば文部科学省で国立大学法人の事業仕分けをなさるのであれば、高知大学が出している今の中期目標・中期計画、問題を充分に仕分けてもらったら、結構なことだと私は思っております。ただ、今我々が出しています中期目標・中期計画はそれなりに評価を受けておりますが、今一つ学部改革が高知大学はできていないというご指摘をいただいているわけでありますから、今申し上げたような新しい学系と新しい特別教育プログラムをベースにして、今まであった学系が更に加わって、一緒になって高知大学をどうしたらいいのかということを生み出しておけばあの人たちの事業仕分けに、むしろ感動さえ覚えて頂けるような回答ができるのではないかというふうに私は思っております。

どうか皆様そういうことで今年は厳しいということを十分認識し、私達が私達自身のことをやらなければ事業仕分けでうやむやになってしまう。私は去年国大協のシンポジウムの時に言いました。教育には金がかかる。しかしその金を惜しんで教育をおろそかにすると何千倍ものお金が十年後にはその国にかかるのだというあのレーガンの言葉を、もう一度我々はここで思い直さなければいけないんじゃないかということです。

 私達教育に携わっているものは、私達自身がつくった地域の大学というこの理念の基に、中期目標・中期計画をより充実させるために進んでいきたいと思っております。したがいまして、今年の4月からこの体制が進みますと、学系長、学部長それぞれの方々が新しくお決まりになると思います。そういう方々全部に参加していただいて新しく、よりよい高知大学をつくるにはどうしたらいいかという全学的な企画検討会議を発足させたいと思っております。

 自分達の事は、志を掲げた自分達が行わねば改善改革はないと思い定めて、私は学長として高知大学を推し進めていきたいと思っておりますのでどうかよろしくお願いします。

 ありがとうございました。


2010年1月吉日

高知大学 学長 相良 祐輔


 

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