2011年の年頭に当たって
あけましておめでとうございます。
2011年は第二期中期目標の2年目を迎える年でございます。昨年末に第一期中期目標期間の最後の年である平成21年度の評価がありましたが、そのなかで業務運営の改善及び効率化に関する目標についての評価は特筆すべき状態にあるという、法人化以来高知大学の業務実績は大変良い評価をいただいておりましたが、この度はトップレベルの評価をいただいて第二期を迎えることができております。これも事務職員の方々の意識改革に基づく大変大きな力でこの評価を勝ち取ることができたと思って、事務の方々には心からお礼を申し上げたいと思います。
さて、第二期の中期目標期間に入ったのですが、思い出していただきたいのは、第一期の終わりに抽象を排して具象的に書くという強い要望の国立大学法人評価委員会の意見を受け、文部科学省からも求めがあって、皆さんに、各部署で、中期目標・中期計画を書いていただいたと思います。このときに高知大学はどのような方向で進むのかということを申し上げております。その当時はいろいろな大学が更地にして検討し直すとか、学部を改組するとかいろいろな動きをしましたが、高知大学は文理統合型の大学院と5つの学部を中心にした体制を維持していくこと、しかし、そのためにはそれぞれの部局で教育・研究・社会貢献、それぞれの分野で一つ”この仕事こそうちの部局の仕事だ”というものを見つけ出していただきたいとお願いしました。そして、それを出していただいて、それを基本とした総まとめを行い高知大学のひとつの個性、すばらしい魅力、というものに持って行って第二期の中期目標・中期計画としようということで提出したわけでございます。世の中、財政の行く末も我々にはわからないくらい混迷を極めておりますけれども、求められた”抽象を排して具象”ということで高知大学は第二期の中期目標・中期計画を提出しておりますから、どうぞ皆さん、業務成績のみならず、教育研究の場合でも特筆すべき状況にあるという評価を得るための自助努力を示していただきたいと思います。
備えあれば憂いなしと申します。今の社会情勢がどのようになるか混迷を深めておりますが、いずれにしても国立大学法人として”オンリーワンの個性化”ということについては強く求められ続けるであろうと思われます。特に第二期は、第一期を経験済みということもありまして、この法人化に対する評価が、より具現的に達成されるかどうかということについて、非常に強い関心を持って国立大学法人評価委員会も見るであろうと思いますので、高知大学は5学部1大学院をしっかりと守り、進化させ、そして、国立大学であり続けるためにも、個性化をそれぞれの部局で自分たちの手で行ってきたと言える、そういうこれからの5年間にしていただきたいと思います。そういう意味で、第二期の2年目に突入する今年は、もう一度皆さん方にお作りいただいた中期目標・中期計画はどのような考え方で皆さん方に作っていただいたのかこれを思い起こしていただいて、年の始めの心構えにしていただけると大変ありがたいと思っております。
どうぞ、これからもいろいろなことが起こるかもしれませんけれども、しかし、高知大学はあくまでも国立大学で5学部1大学院を中心とした体制で進むと、この決意を全うできるように、みんなで一緒に進んでいきたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
2011年1月吉日
高知大学 学長 相良 祐輔