2012年の年頭に当たって
皆様おめでとうございます。きっと皆さん良いお年をお迎えになったのではないかと思います。昨年の暮れに雑誌をパラパラとめくっておりましたら、今年は卯の年で、来年は辰年だから、うだつが上がる、きっと良いことがあるというようなことが書いてありました。
考えてみると、去年は大変な一年でしたので、語呂合わせをして縁起を担ぎ、新しい年を迎えて希望に満ちた日を願いたいということなのだろうと思いました。確かに去年は、消費税が上がる、それから年金の支給年齢が上がるなど良いことは1つも上がらなかったので、こうした話を皮肉に見るわけにもいかないと思っておりました。
しかしよく考えてみると、うだつが上がるのではなくて、うだつを上げなければいけないと思います。うだつを上げるという想いは、非常に大切なことなのではないかと思いました。
去年発表されました各国立大学の業績評価を見てみますと、高知大学は72位くらいのところに位置付けられました。でも、よく見てみますと、研究の質的向上というところで1点上がって、教育の質的向上というところで1点上がると、一挙にベスト20に入ります。つまり、72位に反省はあっても、落胆することはなかったということです。今一歩だったと思います。そうすれば、今年の高知大学は、もっともっと、うだつを上げた新年を迎えることができたと思います。
これからは、評価はつきまとっていきますし、この評価で誠に厳しい現実もあります。今回の評価点によって概算要求の予算が5千万から1億近いところが違ってくるということも、はっきりしました。
高知大学は教育の質的向上で1点、それから研究の質的向上で1点上げさえすれば、そして事務業績は4点ですから、これをさらに1点上げていただきますと、15位以内に入る可能性が十分あるわけです。これは大変冗談のように見えますけど、これからの国立大学の数は本当にこのままでいいのか、四国に四つの国立大学はいるのかという課題が、未だにくすぶっている現状では、意外に大事な評価であるとも言えます。ですから、我々は、教育の面で1点、研究の面で1点、事務業績の面で1点上げておきさえすれば国立大学82の大学の中のベスト15の中に入るのだということだけは、このうだつを上げるこの年に、皆さんの心に、しっかり、刻んでいただけたら大変ありがたいと思っております。
高知大学はとっても良い大学です。私が皆さんに、いろいろとお願いして一歩でも、より良い高知大学を創りましょうということでやってまいりました。それはかなり効果が上がっております。予算動向を見られたらお分かりになると思います。これからは、いろんな評価によるランク付けがなされることとなります。こうしたランク付けに偏ることは、必ずしも正しいと思いませんが、国民にとっては分かり易いのです。例えば、国立大学で、東大が1番ではなくて、○○大学が1番だという表は、非常に理解がし易いのです。高知県民の方から言えば、高知大学はその時何番だといった関心が、大きいほど、私達には、とても力強いのです。この様なランク付けが、全てではないと思っているのですが、やはり、大きな影響を持っているのは、事実です。
どうか、今年は、それぞれの領域で1点ずつ上げようという、ステディな目標を掲げさせていただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2012年1月吉日
高知大学 学長 相良 祐輔