大学紹介

令和元年度 高知大学卒業式・修了式告辞

 本日、卒業・修了の日を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。
 保護者の皆さまには、感慨もひとしおのこととご推察いたします。
 心からお祝い申し上げます。

 

 皆さんは、今日から、就職、進学、などそれぞれの新しい道に向かって歩き出していかれます。このさき、社会の中核でイノベーションの担い手になる可能性を十分に秘めています。30年先には、職業そのものの性質が様変わりするでしょうし、未来がよく見通せないともいわれています。しかし、次代の担い手が、皆さんたち、若い世代であることは間違いありません。

 吉野彰先生がノーベル賞を受賞されたのは皆さんの記憶に新しいことと思います。吉野先生は、受賞される前の年に本学にお越しくださり、希望創発センター主催の特別協働セミナーで講演をしてくださいました。気さくで、にこやかなお人柄でした。ご講演の中で、イノベーションとは世界を変えること、言い換えれば、ある新しい技術や概念が世界中で共有される言葉になった時、初めてそれをイノベーションと呼ぶ、という定義をしていらっしゃいました。また、何よりも大切なのは、切り拓く力であるとも言われました。

 

 吉野先生は、従来の電池の概念をガラリと変え、スマートフォンなどに使われている軽量で多容量のリチウムイオン電池を開発されたのですが、今や、世界中のほとんどの人がスマートフォンの利用を通してそのイノベーションの恩恵にあずかっています。イノベーションは、魔法の言葉でも、夢のような言葉でもありません。現実に広がっている世界そのものです。

 

 さて、もうすでに、AIやIoTの時代が到来しています。しかし一方では、南海トラフ大地震の発生や、昨今のコロナウィルスの伝染など、私たちの生き方や生活そのものへの脅威となるキャタストロフ(大災害)にも備えないといけません。皆さんも、常に世界に向かって感性のアンテナを張り巡らせていてください。そしてイノベーションの創造には、人間としての心を通わせ、共に進化するという意気込みや心がけが大切だということも忘れないでください。

 

 今から5年後、10年後、20年後、30年後の自分の未来の姿を想像することは容易ではないと思いますが、皆さんには着実に足元を固めつつ未来の姿を描き続けてくれることを期待しています。今日が、その新しい一歩を踏み出す日です。

 

 もう一度言います。ご卒業、おめでとう。


令和二年三月二十三日
高知大学 学長 櫻井克年

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