令和2年度 入学式 告辞
高知大学に入学を許可された皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生、教職員を代表してお祝いと歓迎の言葉を贈ります。
保護者の皆さま、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
皆さんは今日から、高知大学の一員、つまり、「チーム高知大学」のメンバーになったのです。チーム高知大学に所属する人は全員、互いに励ましあい、切磋琢磨する友人であり、家族でもあります。高知大学は、「学生と社会に責任をもつ教育の実践と、学生を自立した社会人、リーダー候補生として社会に送り出す」ことを心掛けています。これからは教職員・学生の隔てなく、遠慮なく、どんなことでも相談してください。ワンチームを目指しましょう。
高知大学は、地域に根差し、地域と共に発展することで、不断に進化する国立大学 “Super Regional University”を目指しています。平成二十七年の地域協働学部の新設から始まる教育組織改革が一段落しました。それらは、Super Regional Universityとなるためのエンジンを備えるための改組でした。さらに、令和二年、まさに今年の四月から、新しい大学院もスタートしました。気が早いようですが、四年、ないしは六年の学びを終えた皆さんを、さらに深い学問の世界にいざなう体制が整いました。
まずは、大学での学びの中で、生きた知識と経験を手に入れてください。本学で実践している地域協働型教育による座学と現場実習・演習などを通して、自らをしっかりと磨き、素晴らしい輝きを放つことができるよう頑張ってください。また、皆さんの国際的視野を刺激するために、希望者全員留学というプログラムも始まります。
研究分野で近年特に力を入れているのは、高知県や高知工科大学、高知県立大学と共同で実施している地域に根差した研究、しかも、世界の最先端を走る取組です。『IoP(Internet of Plants)が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化』といいます。高知県の主要産業である施設園芸栽培を、作物生育期間中の植物生理学的データをクラウドに蓄積して解析し、それをAIを利用した生産システムに展開しようとするものです。出荷管理までを包含するため、作業の省力化を進めつつ、知識や経験の浅い人でも十分に採算の取れる農業システムになるものと大いに期待しています。現在、日本一の生産性を誇る高知の施設園芸農業を、世界の農業をリードするパッケージに創り上げることを目指しています。
これからも情報化社会はますます進化、発展していくでしょう。新しい時代の真ん中でそれを担っていくであろう皆さんに、ひとつお願いがあります。SDGs(Sustainable Development Goals)に向かって、世界中が様々な取組を続けています。本学において学業を修めている間に、世界的な視野もより広く深く磨いてください。そして、自分に適した生き方を見つけてください。
まだまだ進化を続ける高知大学にご期待ください。
そして、そのど真ん中で自らをしっかりと磨いてください。
あらためて言います。
入学おめでとう。
Super Regional Universityへようこそ。
令和2年4月3日
高知大学 学長 櫻井克年