令和3年度 入学式 告辞
高知大学に入学を許可された皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生、教職員を代表してお祝いと歓迎の言葉を贈ります。
保護者の皆さま、おめでとうございます。
連日、コロナ禍と背中合わせの苦しい生活が続く中、晴れて大学生・大学院生になられたことを、みなさまと共に心からお喜び申し上げます。
皆さんは今日から、高知大学の一員、つまり、「チーム高知大学」のメンバーになったのです。チーム高知大学に所属する人は全員、互いに励ましあい、切磋琢磨する友人であり、家族でもあります。
高知大学は、地域に根差し、地域と共に発展することで、不断に進化する国立大学 “Super Regional University”を目指しています。これまでに、Super Regional Universityとなるためのエンジンを備えるために組織の改革に取り組んできました。学部は平成二十七年から二十九年にかけて、大学院・修士課程は昨年四月から新しい組織としてスタートしました。来年の四月からは新しい博士課程もスタートさせるべく準備をしており、皆さんをさらに深い研究の世界にいざなう体制が整います。
まずは、大学での学びの中で、生きた知識と経験を手に入れてください。本学で実践している地域協働型教育によって、座学と現場実習・演習などを通して自らをしっかりと磨き、素晴らしい輝きを放つことができるようになっていただきたい。また、皆さんの国際的視野を刺激するために、希望者全員留学というプログラムも準備中です。今のところ、コロナ禍のため、実際に現地に赴くための環境が整っていませんが、近い将来、正常化することを願ってやみません。
研究分野で近年特に力を入れているのは、高知県や高知工科大学、高知県立大学と共同で実施している地域に根差した研究、しかも、世界の最先端を走る取組です。『IoP(Internet of Plants)が導く「Next次世代型施設園芸農業」への進化』といいます。高知県の主要産業である施設園芸栽培を、作物生育期間中の植物生理学的データをクラウドに蓄積して解析し、それをAIを利用した生産システムに展開しようとするものです。出荷管理までを包含するため、作業の省力化を進めつつ、知識や経験の浅い人でも十分に採算の取れる農業システムになるものと大いに期待しています。現在、日本一の生産性を誇る高知の施設園芸農業を、世界の農業をリードするパッケージに創り上げることを目指しています。
これからも情報化社会はますます進化、発展していくでしょう。新しい時代の真ん中でそれを担っていくであろう皆さんに、ひとつお願いがあります。SDGs(Sustainable Development Goals)に向かって、世界中が様々な取組を続けています。本学において学業を修めている間に、世界的な視野もより広く深く磨いてください。そして、自分に適した生き方を見つけてください。
まだまだ進化し続ける高知大学に是非期待してください。
そして、そのど真ん中で自らをしっかりと磨いてください。
あらためて言います。
入学おめでとう。
Super Regional Universityへようこそ。
令和三年四月一日
高知大学 学長 櫻井克年