令和4年度 学位記授与式告辞
本日、卒業・修了の日を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。
ご家族の皆さまにも、心からお祝い申し上げます。
特に、皆さんの在学中は、コロナ禍に悩まされながらの日々でしたから、感慨もひとしおのことと思います。様々な思いを胸に、皆さんは、今日から、就職、進学、などそれぞれの新しい海に向かって船出していかれます。
その皆さんに、未来を見据えて今から考えておいてほしいことをお話しします。本学の経営協議会委員で客員教授を務めていただいている作家でジャーナリストの河合雅司(かわいまさし)先生の代表的な著書に「未来の年表」シリーズがあります。そのシリーズの最新刊「業界大変化~瀬戸際の日本で起きること~」では各業界の20年後の姿がデータに基づいて予測されており、すぐそこに迫っている急激な人口減少がもたらすさまざまな危機が予見されています。その危機を目前に、これからの時代のキャプテンである、あなたがた、若い世代に本日お伝えしたいことは、予測困難な時代を生き抜くための前例に捉われない大きな発想の転換、パラダイムシフトが必要だということです。
皆さんの学生生活を思い出してください。コロナ禍というこれまでの人生で経験したことがない社会の大きな変動の中では、既知の価値観を覆す出来事もあったと思います。それでも高知大学で勉学や研究を全うされ、変化の波を乗り越えて、今日のこの日を迎えられたことを、ぜひ誇りに思ってください。そして、皆さんが高知大学で培った学力・研究力と、仲間や教職員との繋がりは、必ずやこれからの皆さんの人生の糧となります。
私たちも皆さんとの繋がりをより強固なものとするため、2024年の高知大学創立75周年記念事業の一環として校友会の設置を準備中です。校友会には、本学に関わりを持ってくださった全ての方を本学の応援団としてお迎えしたいと考えています。既に県内34の市役所や町村役場を訪問し、本学卒業生・修了生の職員さんに各市町村の校友会支部長を選んでもらいました。まずは高知県下全域で、本学の応援団となってもらい、卒業生・修了生のネットワークで絆を深め、校友会を盛り上げてもらいたいという思いからです。加えて、現在、校友会は、高知県外・海外へとその輪を広げるために活動中です。国内外どこにいても高知大学のことを思い出していただき、ネットワークを育めるよう整備を進めています。
これまでとは次元の異なるパラダイムシフトが求められている今、この先、辛く苦しい時もあるでしょう。そんな時にはぜひ高知大学のことを、校友会の仲間のことを思い出してください。きっと貴方を支えてくれる大切な存在になります。
また、高知大学は2022年4月から始まった第4期の中期目標期間において、『地域を支え地域を変えることができる大学』へ進化を続けることを目指しています。もちろん、地域で得られた経験や成果を世界に発信しつつ、『地域の大学といえば高知大学』と、日本中、世界中の人に知ってもらえるようになることを目指しています。それこそが、Super Regional University、高知大学の姿です。
是非、皆さん、これからは校友会のメンバーとして、Super Regional University、高知大学の一番の応援団でいてください。お願いします。
今日、この式が終わったら、大きく深呼吸をして、しっかりと目を見開いて、新しい一歩を踏み出してください。
もう一度言います。ご卒業、ご修了、おめでとう。
令和五年三月二十三日
高知大学 学長 櫻井克年