令和5年度 入学式 告辞
高知大学に入学を許可された皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生、教職員を代表してお祝いと歓迎の言葉を贈ります。
ご家族の皆さま、おめでとうございます。連日、コロナ禍と背中合わせの苦しい生活が続く中、晴れて大学生・大学院生を送り出されたこと、心からお喜び申し上げます。
皆さんは今日から、高知大学の一員、つまり、「チーム高知大学」のメンバーになったのです。チーム高知大学に所属する人は全員、互いに励ましあい、切磋琢磨する友人であり、家族でもあります。
高知大学は地域を支え、地域を変えることができる大学、Super Regional Universityとなることを目指しています。その際にキーとなるのは優れたDX人材の輩出です。リテラシーレベルの教育は共通教育で、専門基礎レベルの教育は学部ごとに取り組みが始まっています。これらは、これからの職業人としては最低限必要な素養です。是非しっかりと身に付けてください。
本学の経営協議会委員で客員教授を務めていただいている作家でジャーナリストの河合雅司(かわいまさし)先生の代表的な著書に「未来の年表」シリーズがあります。その中で、地域にある大学としては、農業基盤の強靭化こそ重要であり、これはもはや国家的課題でもあると述べておられます。現在、内閣府の地方大学地域産業創生交付金事業、「IoPが導くNext次世代型施設園芸農業」への進化を実施しています。これは、高知県の大きな強み、すなわち、ハウスの単位面積当たりの生産額が日本1位である施設園芸農業を10年20年先まで強みとして伸ばすための取り組みです。また、医療学の分野では、大学と自治体が協力し、企業を呼び込んで地域医療の崩壊を食い止め、地域をまるごと健康にするためのプロジェクトも進行中です。その他にも、臍帯血による脳性麻痺の治療法開発や、がん細胞のみを光らせて除去する光線医療の確立なども進んでいます。高知県から日本中、世界中に発信する取組が数多く進行中です。
これからもDXを中心に社会はますます進化、発展していくでしょう。新しい時代の真ん中でそれを担うことになる皆さんに、ひとつお願いがあります。SDGs(Sustainable Development Goals)に向かって、世界中が様々な取組を続けています。本学において学業を修めている間に、世界的な視野もより広く深く磨いてください。そして、自分に適した生き方を見つけてください。
まだまだ進化し続ける高知大学に是非期待してください。
そして、そのど真ん中で自らをしっかりと磨いてください。
あらためて言います。
入学おめでとう。
Super Regional Universityへようこそ。
令和五年四月三日
高知大学 学長 櫻井克年