大学紹介

平成16年度決算の公表に当たって

平成17年9月12日

 国民、県民の皆様、また保護者並びにすべての関係の皆様方には、日頃から国立大学法人高知大学に多大なるご支援、 ご鞭撻をいただきまことにありがとうございます。
 平成16年4月の法人化以降、私ども高知大学は、地域の中核的総合大学として南国土佐の自然と風土に学び、人文科学、 社会科学、自然科学、生命科学にわたる実学に基本を置いた特色ある教育研究と医療を行うべく全力を尽くしているところ であります。
 国立大学の法人化は、財務面においても大きな変化を伴いました。例えば決算に関しても、法人化以前の官庁会計ルールから 企業会計原則をベースに国立大学法人の特性を踏まえた国立大学法人会計基準による財務諸表を作成し、自己の財政状況を正確 に把握し皆様に対し説明責任を果たすことが義務付けられております。

 このたび、文部科学大臣に本年6月末に提出しておりました法人化後最初の決算に関する財務諸表について8月29日付けで文部 科学大臣の承認を受けましたので、本学の財政状況や運営状況をご理解いただくためここに公表させていただくものであります。
 この財務諸表によれば、本学の平成17年3月31日時点の資産合計は約 528億円、平成16年度の経常収益合計約 261億円、 経常費用合計約 242億円、経常利益は約19億円、臨時利益、臨時損失を含めた当期総利益は約22億円となっております。
 この当期総利益は、

  1.  法人移行時に国から承継した未収附属病院収入などの債権や医薬品等の棚卸資産など法人移行初年度限りの要因に よるもの(約9億円)と附属病院の建物や設備の整備のために行った借入金は附属病院収入で返済していることから、それら の減価償却費との差額が利益として認識されるなどの法人会計のルールによって発生するもの(約8億円)と、
  2.  附属病院収入の増加や教育研究に直接影響しない範囲での契約努力、経費節減等の経営努力等により発生したもの (約5億円)となっております。

 

 このように利益剰余金(当期総利益)の内訳は会計ルールの変更等による要因が大きく占めており、本学の平常的な財務状態 を反映したものではありません。
 この利益剰余金(当期総利益)は、文部科学大臣の「経営努力認定」の承認を受けた後、教育研究の質の向上等に充てる 「教育研究運営改善積立金」として積み立て、平成17年度以降に使用することが可能となります。なお、この承認は文部科学大臣 と財務大臣との協議事項となっており、今回の文部科学大臣の承認には含まれておリません。

 ご案内のとおり、国の財政は極めて厳しい危機的な状況となっており、国立大学法人についても、国から交付される 運営費交付金を毎年度△1%減額するルールとなっています。本学の場合、その影響額は毎年約 8千万円の減となり、 中期計画期間(平成21年度までの5年間)全体では約4億円の削減となります。もとより大学の財政運営は利益の増加を 目的とするものではなく、教育研究、診療活動の充実・発展の基盤の強化を目指すものでありますが、このような状況に対応する ためにも、今後ともより一層の効率的な運営を行い皆様方の負託に応える教育研究、診療、また学生サービスの向上・充実に 努めてまいる所存であります。
  皆様方の一層のご理解、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

国立大学法人高知大学

財務担当理事 河本 朝光 

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