センター長挨拶
高知大学国際連携推進センター長
今井 典子
高知大学は「地域から世界へ、世界から地域へ」を標語に掲げ、地域社会及び国際社会に貢献しうる人材育成と学問、研究の充実・発展を推進することを理念にしています。それを受け、国際連携推進センターが目指すのは、留学生の受入れとともに高知大生の留学促進、そして地域社会での課題研究の成果を発信し、世界の動きを地域に反映させる「グローカル教育・研究」の展開に貢献することです。
高知大生が留学を通して、あるいは留学生との交流を通して、多様な価値観をもつ人たちと接し、対話し、新たな価値創造を促すことができれば、さまざまな状況下(異文化圏を含む)において、望ましい課題解決を図れる視点と思考力を働かせることができます。そのような資質を持った学生を増やすことで、大学の国際化にもつながっていくはずです。留学を考えている学生一人ひとりに寄り添った支援を目指していきたいと考えています。
文部科学省が2008年に策定し、2020年を達成年限とした「留学生30万人計画」では既に2019年には31万人を超え、海外からの留学生は今後も増加が期待されています。高知大学内のキャンパスでも、海外から多様な学生を受け入れ、活発な交流ができるように取り組む必要があります。また、自国に帰国後も、高知大学との絆を継続し深めることができる大学になるよう、環境整備をより一層整えるとともに支援をしていきたいと考えています。
残念ながら、2020年度は、コロナ禍の中で人的交流が中止となり、派遣留学も交換留学生の受入れも中止となりました。ただし、オンラインを通した交流によって、いつでも世界とつながることがこれまで以上に明らかになったと思います。実際、オンラインでの学術交流が変わりなく、いやそれ以上に工夫次第で実行が可能であることがわかりました。2021年度以降、オンラインで可能となる要素と、そうでない要素を精査し、より一層の国際交流を促進していきたいと思います。
高知大学は、地方にある大学として、地域の文化や産業の進展に貢献することが求められており、地域課題に関連した分野の研究・教育が進んでいます。これらの成果を様々な形で発信することができるよう、支援をしていきたいと思います。
以上のような内容を担う当センターですが、「国際連携教育部門」と「国際プロジェクト部門」があります。「国際連携教育部門」では、高知大学から海外協定校への留学生の派遣、協定校からの留学のみならず、私費留学生、国費留学生、JICA留学生(修士)などの受入れを促進しています。「国際プロジェクト部門」では、大学の国際的な研究交流の推進や国際協力を推進しています。なお、本学の国際戦略と国際連携推進センターの基本方針は以下のリンクをご参照ください。
http://www.kochi-u.ac.jp/international/in_center/about.html
当センターは、高知大学の国際化に向けた重要な役割を担っています。しかし、効率的な実現のためには、センターのみでは困難です。大学の教職員、学生や留学生の受入れに関わる方々、また、地域課題を世界と結びつけるには地域の方々のご助力が不可欠です。
今後とも、センターの運営に際しまして、ご協力をよろしくお願いいたします。
参考文献
文部科学省(2008)「留学生30万人計画」骨子
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/__icsFiles/afieldfile/2019/09/18/1420758_001.pdf