JICA国際研修
平成27年度
JICA課題別研修「総合防災行政コース」を実施(2015年8月11日~9月2日)
高知大学は8月11日(火)から9月2日(水)までJICA国際研修「総合防災行政」コースを実施しました。
今回の研修コースは、津波災害が予測される8か国15名の行政官を招き、南海トラフ大地震等に対する防災に焦点をあて、高知県、東北の被災地、神戸市を中心に実施しました。 研修では、まず各国の防災の現状をカントリーレポートとして発表し、その後日本の災害対策や神戸のコミュニティ防災について学びました。東北の被災地へ移動した後、行政・住民それぞれの目線での復興と今後の防災対策について知見を深めました。
高知では津波への三重防御対策を始め、南海トラフ大地震・風水害・地盤液状化・土砂災害といった様々な災害への対策を学びました。実際に種崎津波避難タワー等の防災対策施設の視察を通して理解を深めました。また、ハード面に加え、コミュニティ防災や防災ゲーム、避難所運営といったソフト面の対策についても講義や避難所視察、避難訓練への参加等を通して学習しました。また、本学学生によるシティーツアーやお茶会体験、剣道部稽古見学といった交流活動にも積極的に参加してもらい、幅広く高知県を経験してもらうことができました。
研修の最後には、自国で取り組むアクションプランの作成を行い、公共施設の耐震性の強化、津波警告システムの開発、防災マップ作成等、多岐にわたる提案が行われました。
研修を受けた研修員からは、「避難タワーなどといったハード面と、日頃からの避難訓練等のソフト面が合わさったときに初めて完璧な防災となると実感した。この日本での経験を母国でも大切にしたい。」、「高知のコミュニティにおける災害時の自助・共助の意識を高める取り組みが非常にすばらしいと感じた。自国でも同様の啓発を図りたい。」といった感想が寄せられました。
この研修コースは政府の開発援助の一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)から高知大学が受託して行ったものです。 高知大学は、今後も地域資源を活用した国際研修を実施していくことにしています。
JICA課題別研修「へき地教育の振興」コースを実施(2015年9月3~9月16日)
高知大学は9月3日(木)から9月16日(水)までJICA国際研修「“子どもの学びを保障する”へき地教育の振興-MDGs/EFAの達成に向けて」コースを実施しました。
今回の研修コースは、アフリカ・アジアを中心に9か国15名の中央・地方の行政官、研究員、教員養成大学の学部長などが参加し、へき地校での教育方法の視察実習、地域住民と学校支援の取組みを視察しました。
研修ではまず都市部の小学校として京都市の上鳥羽小学校を視察、研修員は授業での小学生の活発な様子と授業後の清掃活動にびっくり。多くの国では、学校の掃除は掃除人がやっているのです。
高知での研修ではへき地学校の教育法の実践的なノウハウを学びました。高知大学附属小学校において複式学級の指導法を視察・学習し、指導計画の作成の実習を行いました。へき地校では、仁淀川町立別府小学校を訪れ、校内研修の模様を視察し、PTAや老人会の人々から地域と学校の関わりについて話を聞きました。両校で研修員は生徒との交流や給食を体験し、教育レベルの高さと教員の熱心さ、そして地域の方々と学校の親密さに驚いていました。
研修の最後には、帰国後の教育改善を促すアクションプランの発表会があり、教育改革案から学校の指導計画作りマニュアルなどまで多岐に渡るアイデアが披露されました。
研修を受けた研修員からは、「日本の複式学級における指導法は問題解決や協力して学び合う能力を高めることができると感じた。」、「へき地において地元コミュニティが信念と希望を持って子供の可能性を信じ、学校と良好な関係を築いているのが印象的であった。」といった感想が寄せられました。
この研修コースは政府の開発援助の一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)から高知大学が受託して行ったものです。